2022年4月から不妊治療の保険適用が始まり、それ以前より費用負担が減ったと感じている人も多いでしょう。とはいえ、体外受精1回(採卵から移植)の自己負担額は15万円程度と、決して安い金額ではありません1)。
また、保険診療には回数制限があり、39歳以下は子ども一人につき移植6回まで、40〜42歳は移植3回までとなっています(※採卵の回数を除く)2)。そのため、移植回数が4回、5回と重なってくると、その先の治療を考えたときに不安を覚える人も少なくありません。
お金の不安とどのように向き合えばよいのか、一緒に考えてみましょう。
自治体の助成金を調べよう
不妊治療が保険適用になったタイミングで、国からの助成金制度は終了しました。しかし、各自治体で独自の助成金制度を設けている場合があります。
例えば東京都では、不妊に関する検査や先進医療にかかる費用の一部を助成する制度があります。
都道府県によっては、保険診療の自己負担分を全額補助しているところもあります。また、都道府県単位だけでなく、市町村単位で助成を行っている地域もあり、治療費だけでなく交通費や宿泊費が対象となる場合もあります。
まずは、お住まいの都道府県や市町村のホームページを確認してみましょう。それでもわからない場合は、直接問い合わせてみるのもひとつの方法です。
自治体の助成金を利用する際は、申請期間や必要書類をあらかじめ必ず確認しておきましょう。申請期間が短い場合や、利用条件が細かく定められている場合、クリニックから書類を発行してもらう必要があることもあります。治療が落ち着いてからまとめて申請しようとすると、申請期限に間に合わないこともあるため注意が必要です。
また、助成内容は自治体ごとに異なります。他の地域に住んでいる人の情報は参考にならない場合もあるため、SNSやネットの情報だけに頼らず、必ずお住まいの自治体の公式ホームページや窓口で確認しましょう。

会社の支援制度を確認しよう
企業の中でも、不妊治療を支援する制度を設けている会社は年々増えています。多くは休暇制度や休職制度など、働き方に関する支援ですが、なかには不妊治療の費用を一部助成している企業もあります。
まずは、社内にそのような制度がないか、一度確認してみましょう。「不妊治療の費用を支援する制度はありますか?」と直接聞くことに抵抗がある場合は、「不妊治療に関する支援制度はありますか?」と問い合わせてみるのもよいでしょう。
医療保険を確認してみよう
民間の医療保険に加入しているなら、保険の内容によって不妊治療や先進医療が保障対象となる場合があります。採卵や胚移植が手術給付金の対象となることもあるため、現在加入している医療保険の内容を確認してみましょう。
保険の内容がわかりにくい場合は、保険会社の相談窓口に問い合わせると安心です。その際、「不妊治療」とまとめて聞くと範囲が広くなってしまうため、体外受精の採卵手術や胚移植など、具体的な治療項目を挙げて確認するとよいでしょう。「不妊治療に関する保障内容の一覧はありますか」と尋ねてみるのもひとつの方法です。
あわせて、保険を利用するためにどのような書類が必要になるのかも確認しておきましょう。クリニックでの記載が必要な場合もあるため、不妊治療を始めるタイミングで確認しておくと安心です。
なお、不妊治療を開始した後は、不妊治療で保険金が支払われる医療保険への新規加入が難しくなることがあります。加入を検討している場合は、妊活開始前に検討するようにしましょう。
専門家に相談してみよう
治療費の不安が大きくなってきたときは、家計全体を一度見直してみることも大切です。家計の見直しというと「節約を頑張らなければ」と感じるかもしれませんが、必ずしも我慢することが正解とは限りません。固定費や保険、貯蓄のバランスを整理することで、無理なく治療を続けるための余地が見えてくることもあります。
一人で考えるのが難しいと感じた場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのもひとつの方法です。中には不妊治療に詳しいFPもいます。FPは家計や将来設計を踏まえたうえで、治療費とどのように向き合っていくかを一緒に考えてくれます。お金の流れを整理し、使える範囲を明確にすることで、漠然とした不安が和らぐこともあります。
お金の不安は、心の負担にもつながりやすいです。一人で抱え込まず、制度や専門家の力も借りながら、今の自分たちにとって無理のない選択をしていきましょう。
参考文献
1)神奈川県 不妊治療の費用等について ウェブサイトhttps://www.pref.kanagawa.jp/docs/cz6/funin2.html
2)こども家庭庁 不妊治療に関する取り組み ウェブサイトhttps://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/funin
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