【Vol.9】「治療がうまくいかないたびに、自分を責めてしまいます」結果が出ないときの心の整理のしかた

採卵や移植のたびに期待しては落ち込んで、自分を責めてしまう——そんな気持ちを抱えていませんか。落ち込むことは悪いことではありません。無理に前向きにならなくても大丈夫。結果が出ないときの心の整え方について、不妊カウンセラーがお伝えします。

【Vol.9】「治療がうまくいかないたびに、自分を責めてしまいます」結果が出ないときの心の整理のしかた

最終更新日:
2025-12-25
公開日:
2025-12-25
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不妊治療を続けていますが、なかなか結果が出ません。採卵や移植のたびに期待しては落ち込んで、「どうして自分はダメなんだろう」と責めてしまいます。 周囲の人には明るくふるまっていますが、心の中ではずっとモヤモヤしています。こんな気持ちのとき、どうやって前向きな気持ちを取り戻せばいいでしょうか。

落ち込むことは悪いことじゃない

期待していた分、妊娠しなかった結果に落ち込むことは誰にでもあることです。前向きであろうと頑張る前に、まずは落ち込んでいる自分を受け入れてあげることから始めてみましょう。

「悲しい」「つらい」「思うようにいかなくて悔しい」そんな気持ちをいったん認めてあげるだけでも、心が少し楽になることがあります。泣きたいときは、我慢しなくて大丈夫です。お風呂や1人になれる場所で、思いきり気持ちを出してみてください。

そして、自分を少し甘やかしても大丈夫です。結果が出なかったとしても、ここまで頑張ってきたことに変わりはありません。

「落ち込んではいけない」と無理に元気にふるまう必要はありません。つらいときはつらいままでいいのです。不機嫌を周囲にぶつける必要はありませんが、無理に明るくする必要もありません。

中にはいろいろと詮索してくる人もいるかもしれませんが、まともに相手をすると疲れてしまいます。軽く受け流して距離を置くことも、自分を守るひとつの方法です。

リフレッシュできる時間をつくる

妊娠判定で結果が出なかったあと、次の周期が始まるまでの間は少しだけ治療から離れられる時間です。この期間にリフレッシュデーをつくっておくと、気分が切り替わりやすくなります。妊娠のことや治療のことをいったん忘れて夢中になれることを、いくつか用意しておきましょう。

出かけることや身体を動かすことが好きなら、ハイキングやトレッキングなど自然に触れる時間が気分転換になるかもしれません。家で過ごすほうが落ち着くなら、映画をまとめて見たり、好きなアーティストのライブ映像を流してぼーっとするのもいいでしょう。パンづくりやお菓子づくりのように手を動かす作業も、気持ちを無にして集中できるのでおすすめです。

少し時間に余裕があれば、普段行かない場所に出かけてみてもいいでしょう。電波が入りにくい場所なら自然とSNSから離れられるので、心が休まりやすくなります。

1人で過ごすのが落ち着く人もいれば、パートナーや友達と過ごすことで気分が上がる人もいます。どれが正解ということではなく、自分にとって心が休まる選択を知っておくことが大切です。手帳やスマホにリフレッシュリストを作っておくのもおすすめですよ。

次に向かって進むために

ここまで気持ちのリセット方法をお伝えしてきましたが、1日や2日で完全に切り替えられる人はいません。多くの人はモヤモヤしたものを抱えながら、次の周期に向かって不妊治療を再開します。

だから前向きになれなくても大丈夫です。誰もがモヤモヤした気持ちを抱えながら治療をしています。あまり難しく考えすぎないことも、不妊治療を続けていくには大切なことです。

ただし、やる気が出ない、寝つきが悪い、途中で何度も目が覚める、涙が止まらないといった状態が続く場合は、1人で頑張りすぎないでください。

国立成育医療研究センターの調査では、高度不妊治療を受ける女性の約54%が軽度以上の抑うつ症状があるとされています1)。こうした状態があるときは、心療内科などの受診も検討してみてください。「前向きにならなきゃ」と追い詰めなくても大丈夫です。

同じ治療を長く続けているのに変化が感じられない場合、転院を検討するのもひとつの方法です。治療方針や環境が変わることで、新たな気持ちで取り組める場合もあります。もちろん、短期間で何度もクリニックを変えるのはおすすめしませんが、1〜2年同じクリニックで頑張っているのであれば、転院も選択肢として考えてみてもいいかもしれません。

不妊治療が思うように進まないとき、自分を責めてしまうのは自然なことです。無理に前向きになろうとしなくても大丈夫。ほんの少しでも心が休まる時間をつくりながら、自分のペースで進んでいきましょう。

参考文献

1)国立成育医療研究センター. 体外受精などの高度不妊治療を受ける女性の約半数が治療開始初期の段階で、すでに軽度以上の抑うつ症状あり. 国立成育医療研究センターウェブサイト

https://www.ncchd.go.jp/press/2021/210415.html

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