【Vol.24】「子育ての不安が完全になくなる日は来ないのでしょうか?」それでも日々を過ごしていくために

育児について情報を集めても、人に相談しても、また別の不安が浮かんでくる……。その繰り返しに疲れていませんか?子育ての不安がゼロになることはきっとありません。でも、それはあなただけではないのです。子育ての不安との付き合い方や、心を少し軽くする小さな備えについて、助産師がやさしくお伝えします。

【Vol.24】「子育ての不安が完全になくなる日は来ないのでしょうか?」それでも日々を過ごしていくために

最終更新日:
2026-04-14
公開日:
2026-04-14
女性のイラスト女性のイラスト女性のイラスト女性のイラスト女性のイラスト
子育てについて、これまでいろいろな情報を読んだり、人に相談したりしてきましたが、不安が完全になくなることはありません。 少し安心しても、また別のことで不安になるのを繰り返しています。「もっと強くならなきゃ」と思う一方で、この先ずっと不安と付き合っていかなければならないのかと気が重くなることもあります。不安とうまく付き合う方法はあるのでしょうか。

子育ての不安がなくならないのは、おかしなこと?

「子育ての不安が完全になくなる日は来ないのでしょうか?」何度も安心しようとしてきたからこそ、出てくる言葉だと思います。

情報を集めたり、人に相談したりして、そのときはほっとする。けれど、また別の心配が浮かんでくる。その繰り返しに、少し疲れてしまいますよね。

どんなに子育てに慣れている人でも、どんなに準備をしていても、不安がゼロになることはきっとありません。それは、あなただけではないのです。

不安は、お天気のようなもの

人類の育児は、もともと「共同養育」といって、母親一人ではなく周囲の人たちとともに行われてきたといわれています1)。「自分だけでは対処しきれないかもしれない」という感覚は、助けを求めるための自然な心の働きでもあるそうです。

そう考えると、不安が何度も顔を出すのは、弱いからではなく「一人で頑張りすぎなくていいよ」という自分自身からのメッセージなのかもしれません。

ちなみに私は、自分が不安を抱えきれなくなりそうだなと感じたときには、家族にそっと話すようにしています。「なんだかうまくいかない気がする」「なんとなく気持ちが沈んでいる」具体的な解決策を求めるわけではなく、ただぽつりと、気持ちを表に出してあげるのです。

そうすると不思議なことに、抱え込んでいた気持ちは少し自分から離れてくれます。胸の奥にぎゅっとしまい込んでいたものが、手のひらにのせられるような感覚です。

不安などの感情は、何かを伝えるために私たちのそばにやってきてくれるもの。でも、それをずっと抱え続けなくてもいい。そっと手を離して、いったんどこかに置いてあげてもいいのです。

さらに言えば不安や悲しみといった感情は自分そのものではなく、そばを通りすぎる「お天気」のようなものだと私は思います。

今日の天気を思い通りに変えることはできません。だけど「雨が降りそうだから傘を持とう」と備えることはできます。不安も同じです。パッと消すことはできなくても、少し休むこと、誰かに話すこと、専門家に相談すること。そんな小さな備えが、心を少し軽くしてくれることがあります。

揺れながらでも、日々は続いていく

不安が完全になくなる日は、もしかしたら来ないのかもしれません。けれど、不安があるままでも、私たちは日々を過ごしていくことができます。揺れながらでも、迷いながらでも、ちゃんと今日を生きている。

不安を感じるのは、あなたが大切なものを守ろうとしている証でもあります。どうか、不安を抱えるご自身を責めないでください。今日という一日を過ごしたご自身を、そっとねぎらってあげてくださいね。

参考文献

1. 明和政子. 人類の育児スタイルは共同養育. NPOブックスタート; 2022.

ポップアップ/別タブ

同じタブ

この記事をシェア

Cuepodのオンラインカウンセリングを試してみませんか?

関連記事

【Vol.23】「産後、気分や体調に波があります」調子のいい日と悪い日があるのはなぜ?
【Vol.22】 「赤ちゃんの成長がうれしいはずなのに、少しさびしい気持ちになります」私って心が狭いのでしょうか?
【Vol.21】「産後、ずっと疲れが抜けません」休んでいるはずなのに回復しない理由
【Vol.20】「赤ちゃんとのこの生活がいつまで続くのかと思うと、気が遠くなります」先が見えない不安とどう向き合う?
【Vol.19】「『ちゃんと育てなきゃ』と思うほど苦しくなります」“正解探し”に疲れた気持ちとどう向き合う?
同じカテゴリーの記事一覧

同じシリーズの連載記事

【Vol.24】「子育ての不安が完全になくなる日は来ないのでしょうか?」それでも日々を過ごしていくために
【Vol.23】「産後、気分や体調に波があります」調子のいい日と悪い日があるのはなぜ?
【Vol.22】 「赤ちゃんの成長がうれしいはずなのに、少しさびしい気持ちになります」私って心が狭いのでしょうか?
【Vol.21】「産後、ずっと疲れが抜けません」休んでいるはずなのに回復しない理由
【Vol.20】「赤ちゃんとのこの生活がいつまで続くのかと思うと、気が遠くなります」先が見えない不安とどう向き合う?
【Vol.19】「『ちゃんと育てなきゃ』と思うほど苦しくなります」“正解探し”に疲れた気持ちとどう向き合う?
【Vol.18】「産後、周りに『大丈夫?』と聞かれるのがつらいです」気遣いが負担になるとき
【Vol.17】「赤ちゃんのことは心配なのに、自分の体の不調を後回しにしてしまいます」産後の“なんとなく不調”を見過ごさないで
【Vol.16】「赤ちゃんとずっと一緒にいるのがつらいです」母子密着による“負荷”をどう調整する?
【Vol.15】「赤ちゃんが泣き止まないと、自分が責められている気がします」その“つらさ”が生まれる理由
【Vol.14】「妊娠中、パートナーへの気持ちが冷めたように感じます」パートナーへの“温度差”は自然な変化?
【Vol.13】「産後、気持ちが落ち込んで家にこもりたくなる」外に出られない自分を責めないで
【Vol.12】「出産を思い出すと涙が出ます」“トラウマ出産”を抱えたままのあなたへ
【Vol.11】「妊娠中なのに幸せを感じられない」喜べない自分を責めないで
【Vol.10】「出産してから自分じゃないみたい」この気持ちはおかしいですか?
【Vol.9】「妊娠中、理由もなく涙が出てしまいます」情緒不安定なのは性格のせい?
【Vol.8】「上の子にイライラしてしまって、自己嫌悪になります」上の子に優しくできない自分はダメですか?
【Vol.7】「妊婦健診で『体重増えすぎ』と言われるのが怖い」体重チェックのストレスとどう向き合えばいい?
【Vol.6】「出産後、性生活再開のタイミングに悩んでいます」産後のパートナーシップと性生活、どう向き合う?
【Vol.5】「産後3か月。体重も体型も全然戻りません。ダイエットしてもいいですか?」栄養バランスと体を“整える”ことを意識しましょう
【vol.4】「出産が怖くて前向きになれない」臨月の不安は“赤ちゃんを守ろうとする力”です
【vol.3】「つわりと仕事の板挟みがつらい」妊娠中に大切にしたいのは頑張ることではなく“自分への思いやり”です
【vol.2】「『また流産したらどうしよう…』と怖くなります」その不安とどう付き合えばいい?
【vol.1】「母乳が出ていても完ミ(完全ミルク育児)にしたい……」その気持ちは甘えではありません