子育ての不安がなくならないのは、おかしなこと?
「子育ての不安が完全になくなる日は来ないのでしょうか?」何度も安心しようとしてきたからこそ、出てくる言葉だと思います。
情報を集めたり、人に相談したりして、そのときはほっとする。けれど、また別の心配が浮かんでくる。その繰り返しに、少し疲れてしまいますよね。
どんなに子育てに慣れている人でも、どんなに準備をしていても、不安がゼロになることはきっとありません。それは、あなただけではないのです。
不安は、お天気のようなもの
人類の育児は、もともと「共同養育」といって、母親一人ではなく周囲の人たちとともに行われてきたといわれています1)。「自分だけでは対処しきれないかもしれない」という感覚は、助けを求めるための自然な心の働きでもあるそうです。
そう考えると、不安が何度も顔を出すのは、弱いからではなく「一人で頑張りすぎなくていいよ」という自分自身からのメッセージなのかもしれません。
ちなみに私は、自分が不安を抱えきれなくなりそうだなと感じたときには、家族にそっと話すようにしています。「なんだかうまくいかない気がする」「なんとなく気持ちが沈んでいる」具体的な解決策を求めるわけではなく、ただぽつりと、気持ちを表に出してあげるのです。
そうすると不思議なことに、抱え込んでいた気持ちは少し自分から離れてくれます。胸の奥にぎゅっとしまい込んでいたものが、手のひらにのせられるような感覚です。
不安などの感情は、何かを伝えるために私たちのそばにやってきてくれるもの。でも、それをずっと抱え続けなくてもいい。そっと手を離して、いったんどこかに置いてあげてもいいのです。

さらに言えば不安や悲しみといった感情は自分そのものではなく、そばを通りすぎる「お天気」のようなものだと私は思います。
今日の天気を思い通りに変えることはできません。だけど「雨が降りそうだから傘を持とう」と備えることはできます。不安も同じです。パッと消すことはできなくても、少し休むこと、誰かに話すこと、専門家に相談すること。そんな小さな備えが、心を少し軽くしてくれることがあります。
揺れながらでも、日々は続いていく
不安が完全になくなる日は、もしかしたら来ないのかもしれません。けれど、不安があるままでも、私たちは日々を過ごしていくことができます。揺れながらでも、迷いながらでも、ちゃんと今日を生きている。
不安を感じるのは、あなたが大切なものを守ろうとしている証でもあります。どうか、不安を抱えるご自身を責めないでください。今日という一日を過ごしたご自身を、そっとねぎらってあげてくださいね。
参考文献
1. 明和政子. 人類の育児スタイルは共同養育. NPOブックスタート; 2022.
























