パートナーが検査や治療に協力的でないという悩みは、妊活中の多くの女性が直面する問題のひとつです。どうすれば理解してもらえるのか、一緒に考えていきましょう。
パートナーに遠慮していませんか
「忙しそうだから」「言っても嫌がられそうだから」と、パートナーに遠慮していませんか? しかし、不妊治療はどちらか一方だけが取り組めばいいものではなく、2人で取り組むものです。
妊娠も子育ても、女性ひとりで背負うものではありません。それは不妊治療も同じで、どちらか一方が抱え込むものではないのです。
もうひとつ知っておいてほしいのは、男女ともに生殖年齢には限りがあるということです。女性だけではなく、男性も年齢とともに精子の質が低下することがわかっています1)が、意外にもこの事実を知らずに「自分はまだ大丈夫」と思っている男性も少なくありません。年齢や治療のタイムリミットを冷静に説明することが、カップルで現実的に考える第一歩になります。
パートナーに伝える際には、遠慮せずはっきり言うことも必要です。感情的にぶつかるのではなく、これからの2人の人生のために必要なこととして、冷静に伝えてみましょう。
もし口頭では伝えにくい場合は、文章にまとめるのもおすすめです。妊孕性(にんようせい:妊娠する力)などのデータが記載された資料もあわせて渡すと、より説得力が増すでしょう。
保険適用には2人での受診が必要
2022年から、不妊治療にも保険診療が適用されるようになりました2)。
しかし、保険診療を希望する場合には、治療開始前に夫婦(またはカップル)で来院し、「治療計画書」を作成する必要があります3)。この計画書は医師から治療内容の説明を受け、双方が同意したうえで作成されます。その計画書が作成できないと治療費は原則自己負担となります。また、少なくとも6か月に1回は再度2人で来院し、同意の確認と内容の見直しが必要です3)。
パートナーには、「2人で受診しないと保険適用にならず、治療費が自己負担になる」という制度上の理由を伝えてみましょう。
どうしても来院が難しい場合は、別の方法で対応できるクリニックもあります。たとえば、女性が検査用の精液を持ち込み、診療時にオンラインでパートナーをつないで医師の説明を受けるという方法です。まずは通院先のクリニックに相談してみてください。

話しづらいときは、専門家の力を借りてみて
とはいえ、パートナーの説得は容易なことではありません。毎日顔を合わせる相手だからこそ、言い争いや不機嫌な空気を避けたくて、強く言えなくなるものです。それでも時間だけが過ぎていくことへの焦りや不安、寂しさを感じるのは当然のことです。
人それぞれ性格や仕事の状況も違うため、効果的な伝え方は異なります。どうしても自分だけではうまく話せないと感じたら、心理カウンセラーや夫婦・カップルの関係に詳しい専門家に相談するのもひとつです。専門家と一緒に現状を整理し、どのような言い方なら相手が耳を傾けやすいかを考えてみましょう。
また、不妊治療クリニックの医師やスタッフも、男性がなかなか受診してくれないケースを数多く見ています。パートナーにどのように話せばよいか、医療者からの具体的なアドバイスをもらえることもありますので相談してみるのもおすすめです。誰かに話すことで、心が少し軽くなり、次にどう行動すればよいかが見えてくるかもしれません。
妊活はカップルで取り組むもの。どちらか一方の努力では成り立ちません。「言いづらいから」と遠慮してしまう気持ちは理解できますが、あなたの本音を伝えることは、2人の未来のために必要なことです。
まずは、今のあなたの気持ちをパートナーに伝えてみてください。その一歩が、2人の未来を動かすきっかけになるかもしれません。
参考文献
1)日本生殖医学会. 年齢が不妊・不育症に与える影響 Q25. 日本生殖医学会ウェブサイト
http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa25.html
2)こども家庭庁. 不妊治療に関する取り組み. こども家庭庁ウェブサイト
https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/funin
3)厚生労働省. 不妊治療に関する支援について(全体版). こども家庭庁ウェブサイト













